Sunday 7 September 2014

アメリカ居すわり一人旅

またまた群ようこさん。

だって、お気に入りだから、仕方ないのです。

この本は、群さんの著書の中でも古いほうに入るのでは?

キンドル版が出たのは最近のようですが、私が読んだのは、ずいぶん前の話です。

私は、2001年から英国に移り住んだのですが、そんな私が、
この本については、紙の本を買って読んだ記憶がある。

この本は、私が海外に行って生活してみたいと思っていた時に、読んだ本の一冊です。

本書の中で、当時大学生の著者は、どうやらアルバイトでためたお金すべてを持って、渡米してしまったらしい。

その、思いっきりのよさというか、異国で物事が自分の思っていたように運ばなかった時に対する覚悟というか。

そういうものにとても感銘を受け、当時自分が海外留学を検討していたという事もあって、かなり真剣に読みました。

彼女がエッセイの中で書いていることは、かなりオモシロ珍事件の連続で、
普通にアメリカに語学留学しても、彼女のような興味深い経験ができるという補償はありません。

エッセイの中で彼女に起こったことは、彼女があの時点であの場所にいたからこそ
起こったわけで、彼女ではない誰かが留学しても、同じことがその人に起こるわけではないのです。


それがわかっていながらも、楽しむ読めるのが群ようこさんの本なのです。

--- アマゾンの紹介文---

「アメリカに行けば何かがある」と、夢と貯金のすべてを賭けて一人渡米した群さんの、愉快なアメリカ観察記。旺盛な好奇心と元気さにひきかえ、語学力と忍 耐力がほとんどないので、入国審査に始まり、宿泊、食事問題など、次々と日常トラブルが起きてしまう。が、特殊なアルバイトが見つかって、ありがたいお金 と友情を手にすることが出来たのであるが……。観光や買い物に走らずに、あるがままの生活をそのままアメリカで過ごしてきた、無印エッセイアメリカ編。 
---

そんな、アメリカ居すわり一人旅、キンドル化されたようですね!

うれしいです~


Thursday 4 September 2014

でも女

またまた群ようこさん。

だって、仕方ないんです。お気に入りの作家さんなので。

今回は、またまた群ようこさんの「女」シリーズ、「でも女」

もう、「でも女」というタイトルからして、そそります。
「いるいる~!」って感じ。

そして、「もしかしたら自分もそうかも?」なんて、密かに恐怖心もあおられてしまったり。

読者の心をつかむタイトルではありませんか!

なんて感じで、タイトルと本の表紙のみでジャケ買い。

ちなみにジャケ買いという言葉は死語かもしれないので、Wikipedia からの引用を下記します。
----
ジャケ買い(じゃけがい)とはレコードCD、DVD、本などのメディア商品を内容を全く知らない状態で、
店頭などで見かけたパッケージデザインから好印象を受けたということを動機として購入すること。
----

まあ、それはおいといて。。。

さてさて、ついついジャケ買いした群ようこさんの「でも女」。

-- Amazon の紹介文 --

幼稚園児、女子大生、主婦、キャリア・ウーマン、ハイ・ミス…etc.様々な女たちの生態と心理を、「女の友情」を軸にスルドク描いた短篇小説集。著者独 特の的確な観察眼、超リアルな描きっぷりはますます快調!ジタバタしながらそれなりに懸命に人生を送っている女たち。その奮闘ぶりには、身につまされたり 笑ったり。表題作はじめ10篇を収録。 

---

「女の友情」を軸とした10編の短編集。

でも、表題の「でも女」さんを筆頭に、「女の友情」の軸となる「友人」達の多くが、
なかなかどうしてちょっと問題ありな女性なのですよ。

そして、その「問題あり」の程度が、普通に日常生活で出会いそうな程度の、
マイルドな「問題あり」なんです。

そこが、面白い。

それらが、作者独特のシニカルな視点から、ざっくばらんな文体を通して
さりげなく表現されています。

だから、会社の更衣室でOLたちが同僚のゴシップをするような感覚で、

「あ~、そんな人、いるいる~!」

「いやあねえ。」

という感じで読めるのです。

そして、完全に他人事(笑)。だってゴシップだもん!

いやはや、群ようこさんの人間洞察の鋭さには、太刀打ちできません。